桂院生室

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工学研究科の大学院生ってなにやってんの?

京機会工場見学 【DMG森精機】

2019/9/23

 

工場見学最初の企業は

DMG森精機(伊賀工場)

であった。(昨年に続き二回目)

 

DMG森精機といえば、「第42回鳥人間コンテスト2019」で、ルール上最長記録の60kmという前人未到の新記録で優勝を果たした、

「BIRDMAN HOUSE 伊賀 」が所属する会社である。

 

DMG森精機は世界レベルの工作機械メーカーというだけあり、

機体性能は群を抜いていたのではないかと思う。

パイロットの渡邊悠太さんもDMG森精機の社員の方で、今は実験部設計支援解析グループに所属しておられるということだ。

鳥人間コンテストに関するリンクを貼っておく。

https://www.dmgmori.co.jp/trend/detail/birdman2019.html

 

 

さて工場見学に関して

 

会社概要説明 → 組立工場見学 → 主軸工場見学 → 鋳造工場見学 → 展示室 → 質疑応答

このような流れであった。

 

まず会社概要説明だ。

去年と同じ恰幅の良い社員の方による説明であった。

 

 先ほども述べたが、DMG森精機は工作機械メーカーである。

工作機械とは「機械を作るための機械」のことで、旋盤やマシニングセンタなどを指す。

(工作機械は景気の影響を受けやすく、昨年までは売り上げが順調に伸びていたが今年からは停滞気味らしい。)

 

規模に関しては

 資本金  : 500億円

 売上高  : 5000億円

 従業員数 : 1万3000人

といったところだ。

また、売り上げの8割は海外らしい。

 (詳しくはHPに掲載されているので割愛する。)

 

概要説明はこんなところだ。

 

 

組立工場の話に移ろう。

組立工場では当然ながら工作機械の組立が行われていた。

工場の壁面に資格の取得状況が貼りだされており、

資格の数次第では月給に最大8万円ほど追加されるということであった。

(月給8万の差はでかいな。)

 

昨年よりも急ぎ足で説明され「すり合わせ体験」のブースはすっ飛ばされた。

(昨年のすり合わせ体験では「職人による手作業の表面加工で摩擦が滑らかに!」といったことが体験できた。)

 

 

組立工場のついでにマグネスケールの生産加工現場を訪問した。

マグネスケールとは磁気を利用した正確な定規のようなものだ。

magnet(磁石)+scale(尺度)による造語だと思われる。

 仕組みは磁気テープと似ているようだった。

 

僕の理解では

磁極の向きを揃えた磁性粉を塗布し、その上を電磁石が移動する際に磁性粉を反転させ移動距離を記録する。

という感じである。

 

とにかく、正確な長さの測定は工作機械には必要不可欠なのだ。

 

 

次に向かったのは 、主軸工場であった。

主軸工場の付近はとにかく悪臭がひどかった。

堆肥の臭いと言ったところだろうか。なかなかの不快感があった。

(後から聞くと付近に養鶏場があるとのことだった。調べると、鶏は牛や豚よりも臭いがきついらしい。)

 

主軸で最も大事なのは、軸が偏心していないことである。

軸の回転中心がずれていては正確な加工など到底不可能である。

 

主軸工場では偏心を3μm以内に抑えたものを製品としているらしい。

(もしかすると0.3μm、0.03μmだったかも。メモを忘れるほどの激臭であった。)

 

 

最後に向かったのは、鋳造工場だ。

(鋳造工場はキノコの臭いがした。)

鋳造後の加工には東芝社製の5面加工機が用いられていた。

(そこはDMG社製じゃないのね。)

5面加工機は名前の通り底面以外の5面を加工する機械である。

話によると、底面の精度は1個前の工程の精度のままとのこと。

 

 それぞれの工場ではいわゆるIoT化が進められていた。

(伊賀工場での各機械の稼働状態が一目でわかるようになっていた。

また、他の工場での進捗情報にもすぐアクセスできるようだ。)

 

展示室にはDMG社製の加工機が並んでおり、どういった物の加工に用いられるかが説明されていた。

(今は五軸加工機がウリらしい。)

 

一通りの見学を終え、概要説明のあった部屋に戻るとホットココアが用意されていた。

(学生ながらにプチVIP待遇を楽しめた。)

 

質疑応答では、主軸工場での悪臭に関して質問した。

最近養鶏場の悪臭対策に消臭マシン(養鶏場の匂いをチョコレートの香りにする機械)を導入したらしい。

 

その後、社員の方々と昼食を取った。

(伊賀は自動車でのアクセスに限られてしまい、大阪や名古屋での飲み会後に帰宅するのが大変なようだ。)

 

DMG森精機の工場見学はこんな感じであった。

 

それではまた。