京機会工場見学 【YAMAHA・YAMAHA発動機】
2019/9/24
京機会工場見学2日目
安城荘で朝食を食べ、二日目がスタートした。
最初に向かったのは「YAMAHA」である。
音楽のほうの「YAMAHA」だ。
到着後まず目に入ったのは、横断歩道であった。
いきなり音楽に携わる企業らしさを感じた。
見学の流れは、
概要説明 → ミュージアム → 無響室 → 残響室 → レコーディングスタジオ
の順であった。
(無響室、残響室、レコーディングスタジオは普段非公開らしい。)
概要説明では、バイクのほうの「YAMAHA発動機」は楽器のほうの「YAMAHA」から独立した会社であるという話があった。
戦時のプロペラ作りの技術をバイクに転用したそうだ。
(戦時は楽器メーカーも防衛関係の部品を作っていたということに驚いた。)
また、「YAMAHA」は創業者の山葉寅楠氏からきていると知った。
山葉氏はオルガンの修理経験からオルガン作りをはじめ、その後ピアノ作りなどを手掛けたそうだ。
社のコンセプトは
「人間必需品を音の技術で実現する」
ことだと紹介された。
人間必需品とは生活に必要な生活必需品ではないものの、
「人間らしく豊かな生活を送るのに必要なもの」と定義されている。
そこからミュージアムに向かった。
ミュージアムには今までに製品となった楽器がずらりと並べられていた。
入り口付近には、ウィーンの至宝と呼ばれるベーゼンドルファー・ピアノが誰でも弾ける状態で展示されていた。
他にもピアノ部品の仕組みや木の材質の違いを体験できるコーナーや指向性スピーカーによるミュージックゾーンなどがあった。
続いてスーパーサラウンドシアターという場所で音響映像作品を見た。
このスーパーサラウンドシアターはYAMAHAが世界に誇る立体音響技術ViRealによる108.6chのシアターで、圧倒的な音の臨場感を楽しむことができた。
ミュージアムではヤマハの歴史や技術の一端に触れることができた。
(見学中にこのピアノで様々なアニソンをひたすら弾いている人がおり、良いBGMであった。)
次に見学したのは「無響室」であった。
無響室とはその名の通り「音が響かない部屋」である。
音の反響がを限りなく減らすことでスピーカーの性能などを正確に測定できるということであった。
中に入るとまさに音が吸い取られるような感覚であった。
発した声や拍手の音などもすべて消え去ってしまうこの空間はまるで宇宙空間のようであった。
(宇宙空間を体験したことはまだないが。)
無響室の中は前後上下左右の6面が多数のクッション性の「とげとげ」で覆われており、この「とげとげ」が音の反射を最小限に抑える役割を担っているようだった。
(入り口の裏にも「とげとげ」が用意されておりぬかりがなかった。)
続いて「残響室」を見学した。
残響室もまたその名の通り「音の響きが残る部屋」である。
残響室は物がどれだけ音を吸収するかを測定するのに用いられるということであった。
(主にミュージカルホールの椅子の吸音が検査対象になるらしい。)
残響室の中はやまびこが鳴りやまない場所であった。
自分の発した言葉が5,6回は復唱されるのだ。
どうやら低い音ほど長く残響するようで、高い声はあまり残響しなかった。
残響室はコンクリート製の閉ざされた塔のような部屋で高さは7mほどであった。
内部形状が残響には非常に大事らしくどの面も平行でない7面体であった。
平行な面を作らないことで反射波との打ち消しあいを発生させないようにしているということだった。
最後に向かったのはレコーディングスタジオであった。
(アイドルが歌っているかと期待したが無人であった。)
レコーディングスタジオは楽器などの音の確認を行う場所で、人の感性によっていい音か否かを判断しているとの話だった。
スタジオの壁面と天井は木製で、音を程よく反射するよう凹凸が不規則に並んでいた。
部屋にはからくりが仕込まれており、壁面を裏返すとクッション性の面が用意されていた。
これはレコーディング時の音の反射具合(反射と吸音の兼ね合い)を調整するための工夫ということであった。
こうして音楽のほうの「YAMAHA」の工場見学を終えた。
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そのままバスで移動し、「YAMAHA発動機」へと向かった。
バイクのほうのヤマハだ。
見学したのは静岡県磐田市のYAMAHA発動機モーターサイクル組立工場であった。
(実はジュビロ磐田はYAMAHA発動機サッカー部が前身である。)
到着後、社員の方々と昼食(うな重)を頂いた。
(食堂からは窓の外にヤマハスタジアムが見えた。)
工場見学の流れは、
概要説明 → 組立工場 → ミュージアム
の三本立てであった。
概要説明では、先ほども述べたように「YAMAHA発動機」は「YAMAHA」のバイク部門が独立した会社であるという話から始まった。
かつてはYAMAHAの一部門であったが、いまや音楽の「YAMAHA」の3,4倍の規模となり大躍進を遂げている。
規模に関しては、
資本金 : 280億円
売上高 : 4300億円
従業員 : 2万人
YAMAHA発動機は
資本金 : 860億円
売上高 : 1兆6700億円
従業員 : 5万人
といったところだ。
小ネタとして、YAMAHAとYAMAHA発動機のロゴの違いの話があった。
ヤマハのロゴは三つの音叉、ヤマハ発動機は音叉マークをホイールに見立てたもののようだ。(上がYAMAHA発動機)
概要説明を終え、組立工場の見学に向かった。
組立は主に人の手で行われていたのが印象的であった。
バイクの車種が多く、またカスタマイズが多様で機械化がコストに見合わないとの説明があった。
(今回の工場見学で最も多くの作業員がいた工場であった。)
組立ラインとして、エンジン組立て→車両組立→走行検査の流れであった。
それぞれのラインで様々な種類のバイクの組立が行われていた。
(いかついバイクが多かった。)
最後にミュージアムに向かった。
ミュージアムでは歴代のバイクやボート、カートなどがずらりと並べられており迫力があった。
(日頃見かけることのない海外向けのデカい四輪バギーや前輪が二個ある近未来的なデザインのバイクの展示が特に印象に残った。)
こうして、YAMAHA、YAMAHA発動機の工場見学を終えた。
それではまた。